保険料納付、５年延長を検討　国民年金、６５歳未満まで―政府

突然、思いついたように国民年金の納付期間が延長される？　との報道がありました。

2022年10月19日の時事通信

https://www.jiji.com/jc/article?k=2022101800669&g=eco

保険料納付、５年延長を検討　国民年金、６５歳未満まで―政府
2022年10月19日07時05分

政府は１８日、国民年金の保険料納付期間を現行の４０年間から５年延長して４５年間とする案を議論する方針を決めた。実現すれば、２０歳から始まる納付の対象者は現在の「６０歳未満まで」から「６５歳未満まで」となる。財源を確保することで、少子高齢化に伴う年金の給付水準低下を抑制し、高齢者の生活保障につなげる狙いだ。

月内に始動する社会保障審議会（厚生労働相の諮問機関）の年金部会で議論する。２０２４年に結論を出した上で、２５年の通常国会での法改正を目指す。

公的年金は、自営業者を含む全ての人が国民年金に加入し、会社員や公務員は報酬に応じて給付額が決まる厚生年金にも入る仕組み。２２年度時点では、国民年金の保険料は月１万６５９０円で、４０年間納付すると月約６万５０００円が支給される。

制度を巡っては、年金を受け取る高齢者が増え、保険料を納める若い世代が減る中でも制度を持続させるため、給付水準を徐々に抑える「マクロ経済スライド」を実施している。これにより、特に国民年金のみを収入源とする高齢者の生活が苦しくなると予想される。
政府は５年に１度、年金制度の健全性を確かめる「財政検証」を実施し、見直しに生かしている。次期検証は２４年に予定されており、保険料納付期間の延長も併せて議論すべきだと判断。実現により、給付水準低下の抑制を目指す。
一方で、自営業者や６０歳までに退職した元会社員らにとっては、保険料負担が増えることになり、反発も予想される。企業の雇用延長で６５歳まで働く人は現在も保険料を納付しており、影響は生じない見通し。

普通に考えると、納付期間が延長されるということは、受給金額が上がる、と思いますよね。上がるのなら延長しても仕方ないのかな・・・。

それでは現在の国民年金を確認してみます。
国民年金には3つの加入形態があります。
第1号被保険者は、20歳から60歳までの国内に居住する自営業者、農家、学生、無職の人。
第2号被保険者は公務員や会社員で一定の収入と労働時間を超えている人
第3号被保険者は、20歳から60歳までの国内に居住する第2号の扶養配偶者。

このように国内に居住する人であれば国籍を問わずに国民年金に加入しているのです。

この中で保険料が確定しているは第1号だけ。

第2号は厚生年金にも加入していて給料から天引きされている厚生年金保険料の中に国民年金保険料が含まれているのですが、何円が国民年金で何円が厚生年金でということが分からないのです。

第3号は保険料は納付してないが、年金を受給する金額の計算には、納付していたこととして年金額が決まります。

このように職業によってバラバラなのでわかりやすい第1号でご案内します。

現在の国民年金は、20歳から60歳までの40年間（480月）をすべて納付すると、65歳から国民年金（老齢基礎年金）が満額で年間約80万円受給できます。

満額の約80万円を480月で割ると1,666円（約1,650円）。
国民年金保険料を1か月納付すると年金額として年間約1,650円。

保険料ですが、現在は月額で約16,000円。
（現在はこの金額ですが過去はもっと少なかったので損得の計算で簡単に平均を使うのは難しいです）

そして今回の報道では60歳から65歳までの5年間（60か月）、納付期間を延長するとのことです。普通に考えればこの5年間に納付した分も年金が増えるはずです。

いくら増えるかというと、先ほどの計算から、

1か月で1,650円ですので、60倍すると99,000円（約10万円）、

月額では8約8,000円増えるはずです。