労働トラブル解決事例

社労士事務所カネコにご依頼いただいた中で、労働トラブルの解決事例をご紹介いたします。

解決事例:東京都内飲食業

従業員30名の都内の飲食業の会社で自己都合での退職から約1か月後に、会社に対して未払い残業代の請求をしていきました。請求内容は、残業代約100万円と解雇予告手当30万と給料1か月分の損失利益で合計約160万円。会社と本人で電話とメールで何度かやり取りした後に、あっせん申請書が会社に送られてきました。

あっせんを受けるか受けないかは会社の判断でいいのですが(受けなくても良いのです)、会社としては早期解決のために受けました。その結果、東京労働局のあっせんで、5万円程度の解決金の支払いで解決しました。

このあっせん申請人は、退職に伴う送別会もしてもらい、送別会の翌日には菓子折り持参で、従業員と社長にお礼のあいさつをしていたのです。そこまでしてもらったのに、残念でした。

なお、あっせんを受けるということは、お互いに譲歩することでもあるのです。

今回は会社の英断であっせんを受けましたが、受けない会社も多数あります。

解決事例:東京都内販売業

従業員20名の販売業の会社で自己都合での退職から数箇月経過したときに、会社に対して未払い残業代の請求をしていきました。その金額は約200万円でした。元従業員が労働基準監督署に駆け込み、会社に連絡があり、社長と一緒に労働基準監督署に行きました。

この事件では、会社は元従業員に約20万円を支払い解決しました。このときの解決ポイントは、労働基準監督署に何度となく訪問し、会社が管理している業務日報等の記録を入念に精査して、本当に仕事をしている時間を算出して、支払いました。約3箇月間を要しました。

この事件では、労働基準監督官と何度と無く協議することで、是正勧告が出される前に解決しました。

解決事例:埼玉県内製造業

従業員30名の製造業の会社で、本人から適性がないので会社を辞めたいと申し出があり、退職届を提出し、退職しました。それから約1箇月後、元従業員が労働基準監督署に駆け込み、会社に労働基準監督署から連絡があり、社長と一緒に労働基準監督署に行きました。当初は何の事かと思いましたが、話を聞いているうちに元従業員が「退職届を強制的に書かされたので、この退職届は無効だ」という旨の相談に来たことがわかりました。

この事件では、元従業員の今までの出退勤記録や人事記録、始末書等を提出し、退職の経緯を説明することですることで、本人が自らの意思で退職届を書いたということが確認されました。約10日間で解決ました。

この事件では、出頭依頼の2日後に出頭したこと、最初の出頭日からすぐに出退勤記録や人事記録、始末書等を提出したことで会社の誠実さが確認され、会社の主張が認められたのでしょう。

解決事例:埼玉県内サービス業

従業員50名のサービス業の会社で、自称「世直し弁護士」が、誰からの依頼も無いのに「従業員の労務管理に関して社長とお話をしたい」との申し出があり、会社への改善命令書を手渡し、「改善されない場合は法的手段を行使する」旨の一方的な申し入れを行いました。

確かにこの業界特有の慣習があり、長時間労働は致し方ないところもありましたが、あまりに非礼で一方的な申し入れのため、社長と入念な打ち合わせをし、自称「世直し弁護士」に対して今後の対応策を立案して、就業規則や社内規則を整備し、改善状況を報告し、一方的な介入を中止させることができました。会社としては自称「世直し弁護士」一方的な改善要求には最低限だけ応じました。約2箇月間を要しました。

社会保険労務士と労働トラブル解決

「社会保険労務士は労働トラブルを解決してもらえるのでしょうか? 」

この問い合わせの答えは、おおむね「YES」ですが、会社や社長に代わって当事者と交渉することはできません。

社会保険労務士法第第二条
社会保険労務士は、次の各号に掲げる事務を行うことを業とする。
一 別表第一に掲げる労働及び社会保険に関する法令(以下「労働社会保険諸法令」という。)に基づいて申請書等
(行政機関等に提出する申請書、届出書、報告書、審査請求書、再審査請求書その他の書類(その作成に代えて電磁的記録
(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識できない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理
の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。)をいう。以下同じ。)を作成すること。
一の二 申請書等について、その提出に関する手続を代わつてすること。
一の三 労働社会保険諸法令に基づく申請、届出、報告、審査請求、再審査請求その他の事項(厚生労働省令で定めるものに限る。
以下この号において「申請等」という。)について、又は当該申請等に係る行政機関等の調査若しくは処分に関し当該行政機関等
に対してする主張若しくは陳述(厚生労働省令で定めるものを除く。)について、代理すること(第二十五条の二第一項において「事務代理」という。)。
(一部略)

との規定があります。この第二条第一項の三の最後に「代理すること」とありますが、これは「行政機関等」に対しての行為ですので、労働者個人に対しての代理ではありません。そのため、労働者との個別のトラブル解決では、会社や社長に代わって交渉することはできません。

しかし、同じく社会保険労務士法第二条第三項には次の規定があります。

三 事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について
相談に応じ、又は指導すること。

この規定があるため、会社や社長、労働者個人の交渉の席に同席して助言することはできます。

結論をいいますと、社会保険労務士は弁護士と違って、会社や社長に代わって当事者と交渉することはできません。しかし、社会保険労務士が会社や社長の代理として、労働トラブルを解決できる制度があります。「あっせん」です。

あっせん

あっせんの特徴

  1. 手続きが迅速・簡便
    長い時間と多くの費用を要する裁判に比べ、手続きが迅速かつ簡便。
  2. 専門家が担当
    弁護士、大学教授、社会保険労務士などの労働問題の専門家である紛争調整委員会の委員が担当。
  3. 利用は無料
    あっせんを受けるのに費用は一切無料。
  4. 合意の効力
    紛争当事者間であっせん案に合意した場合には、受諾されたあっせん案は民法上の和解契約の効力あり。
  5. 非公開(秘密厳守)
    あっせんの手続きは非公開であり、紛争当事者のプライバシーは保護されます。
  6. 不利益取扱いの禁止
    労働者があっせんの申請をしたことを理由として、事業主が労働者に対して解雇その他不利益な取り扱いをすることは法律で禁止されています。紛争当事者の間に、公平・中立な第三者として労働問題の専門家が入ります。双方の主張の要点を確かめ、双方から求められた場合には、両者に対して、事案に応じた具体的なあっせん案を提示します。紛争当事者間の調整を行い、話し合いを促進することにより、紛争の解決を図る制度です。

労働トラブル予防事例

労務トラブルを予防した事例をご紹介します。

予防事例:埼玉県内食品製造業

従業員50名の埼玉県内の食品製造業で現場のリーダー職の社員が、数名の女性パートタイマーに対して激しい口調で罵詈雑言を吐きつけて、職場の風紀を乱したとの相談。

その原因を聞いても、「気に入らない」という理由にならない理由。

状況を詳しく聞き、注意書を作成し、本人と面談したときには、深く反省している態度が見て取れ、その後朝礼でも謝罪し、従前どおりの勤務態度に戻り、職場秩序の維持が達成できました。

解決事例:埼玉県内運送業

従業員5名の埼玉県内の運送業で社長に勤務態度を注意されて自己都合での退職から数日経過後、会社に対して未払い残業代の請求をしていきました。その金額は約40万円でした。この件は労働基準監督署に行く前に会社に請求があったため、労働基準監督官な関与していません。

この人とは、会社で協議の場を設定して、本人の反省文と引き換えに、給与の半月分を解決金として15万円支払うことで解決ました。