ドライバーの給料の上限は時間単価の300倍(2023年3月まで)

「トラックドライバーの給料の上限はいくらぐらいですか?」

運送会社の社長様と給料体系の打ち合わせをしていると必ずというくらい聞かれる質問です。

その質問に、私は「時間単価の約300倍」とお答えます。(これはあくまで私の試算ですのでご注意ください)
根拠は次のとおりです。

 

1.年間拘束時間は改善基準で3,516時間(293時間×12月)。
この拘束時間とは、始業時刻から終業時刻までの合計時間で、労働時間+休憩時間の合計。
労働時間の中には運転時間はもちろんのこと、待機時間も作業時間も含まれます。

 

2.所定労働時間
現在、法定労働は1週40時間、1日8時間まで。これを年間に換算すると、365日÷7日で1週間の回数は52週。
52週×40時間で2,080時間
所定労働時間は2,080時間(所定労働時間は法定労働時間を超えられない)

 

3.休憩時間
1日の所定労働時間が8時間で計算すると、2,080時間÷8時間(1日の所定労働時間)=260(所定労働日数)
1日1時間の休憩時間とすると年間休憩時間が260時間

 

4.残業時間
年間拘束時間から所定労働時間と休憩時間の合計時間を引くと残業時間。
年間拘束時間3,516時間―所定労働時間2,080時間―休憩時間260時間=1,176時間
1,176時間が最大残業時間数です。ここではわかりやすく1,170時間にします。

 

5.何時間分の給料になるか(わかりやすく時給1,000円とします)
所定労働時間 = 2,080時間×1,000円 = 2,080,000円
残業代 = (1,170時間×1,000円×1.25)= 1,462,500円
合計 = 所定労働時間 2,080,000 + 残業代 1,462,500円 = 3,542,500円
3,542,500円 ÷ 12月 = 295,208円 ⇒ 1,000円 × 300

 

結論 月給の支給上限額=時間単価の約300倍
これは会社側から見ると時間単価の300倍が上限ですが、このほかに深夜割増賃金の支給が必要になります。

時間単価が1,200円ですと1,200円×300×12月=4,320,000円+深夜割増が年間給与の上限

ドライバー側から見ると時間単価の300倍しか稼げない、ということになります。

賞与を支給するしない、金額は法律の定めはありませんので会社によって違います。

 

さらに、

2023年4月からは、60時間を超える残業時間の割増率が2割5分増しになり1.5(1+0.25+0.25)

2024年4月からは、年間の残業時間が960時間の上限規制(各月の上限はありません)が始まります。

 

運送業の給料体系変更、見直しのご相談はこちらまで、お気軽にどうぞ!

 

 

 

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