日本人が働き者で仕事好きだなんて、ウソ
新型コロナウイルスのオミクロン株の感染急拡大のために在宅勤務に戻る会社が増えたようです。
テレビの街頭インタビューで、スーツを来た会社員がインタビューに答えている風景をよく見かけます。
「こんな大変な中でも、日本の会社員はまじめに黙々と働いて感心ですね」とテレビのコメンテーターが言ってますが、
本当にそうなのでしょうか?
国際比較でみると、日本人は働き者で会社が大好きで仕事も大好きだなんて、全くのウソ。
本当はその逆。
根拠は、労働経済白書令和元年版
1.ワークエンゲージメントの国際比較
ワーク.エンゲージメントは、
1.活力(仕事から活力を得て活き活きとしている)
2.熱意(仕事に誇りとやりがいを感じている)
3.没頭(仕事を熱心に取り組んでいる)
の3つが揃った状態と定義されています。
これは仕事好きや労働意欲とも考えられます。
この3つは、働き者で会社が大好きで仕事も大好きだと思われている日本人なら全員あると感じていませんか?
果たしてそうなのでしょうか。
この3つの分野に関した調査結果の国際比較があります。
調査項目は次の各項目について㍘から6点での自己回答です。
1.活力
(1)仕事をしていると、活力がみなぎるように感じる
(2)職場では、元気が出て精力的になるように感じる
(3)朝に目が覚めると、さあ仕事に行こう、という気持ちになる
2.熱意
(1)仕事に熱心である
(2)仕事は、私に活力を与えてくれる
(3)自分の仕事に誇りを感じる
3.没頭
(1)仕事に没頭しているとき、幸せだと感じる
(2)私は仕事にのめりこんでいる
(3)仕事をしていると、つい夢中になってします
この質問事項に、全くない(㍘)~いつも感じる(6点)で回答します。
回答
㍘ 全くない
1点 ほとんど感じない(1年に数回以下)
2点 めったに感じない(1か月に1回以下)
3点 時々感じる(1か月に数回)
4点 よく感じる(1週間に1回)
5点 とてもよく感じる(1週間に数回)
6点 いつも感じる(毎日)
結果は各項目の回答を6点満点(数字はグラフからの読み取り)の平均で
フランス 4.6(統計中で最高)
ドイツ 4.2
南アフリカ 4.2
イタリア 4.1
オーストラリア 4.0
スウェーデン 3.8
中国 3.8
スペイン 3.6
日本 2.9(3点未満は日本だけ)
日本の仕事好きは、
フランスの約63%
ドイツの約70%
スペインの80%
でしかない。
(令和元年版 労働経済白書の179ページを参照)
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-1-2-3_01.pdf
2.労働生産性の国際比較2021
OECD加盟国の1時間当たりの労働生産性(2020年)
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/report_2020.pdf
(10ページを参照)
労働生産性の国際比較2020(日本生産性本部)の資料によると
フランス 79.2ドル
ドイツ 76.0ドル
南アフリカ 統計なし
イタリア 64.2ドル
オーストラリア 63.9ドル
スウェーデン 78.9ドル
中国 統計なし
スペイン 59.2ドル
日本 49.5ドル
アメリカ 80.5ドル
日本人の労働生産性は
フランスの約62%
ドイツの約65%
スペインの83%
アメリカの約61%
でしかない
3.ワークエンゲージメントと労働生産性は比例してる。
ワークエンゲージメント、労働生産性ともに日本はフランスの約60%。
働く意欲が無いのに、労働生産性が高くなるわけないのは当然ですよね。