就業規則を飾り物にしてはならない

社会保険労務士や弁護士さんに高い料金を支払って作ってもらった就業規則

労働基準監督署に届出しただけでは飾り物にすぎません。
就業規則は作成や変更よりも運用の方が大切なのです。

就業規則の運用とはなんでしょうか?

それは、周知して実際に注意指導することです。

その前に、就業規則の作成手続きの法律を見てみます。

1.就業規則の作成

労働基準法
(作成の手続)
第90条 使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においては その労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
2 使用者は、前条の規定により届出をなすについて、前項の意見を記した書面を添付しなければならない。

 

就業規則を作成したら、労働者の過半数で組織する労働組合がない事業場では労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければなりませんが、同意を得なければならないということでもありません。

就業規則は一方的に作成や変更することができるのです。

 

労働基準法
(法令及び労働協約との関係)
第92条 就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない。
2 行政官庁は、法令又は労働協約に牴触する就業規則の変更を命ずることができる。

(労働契約との関係)
第93条 労働契約と就業規則との関係については、労働契約法第12条の定めるところによる。

※労働契約法第12条(就業規則違反の労働契約)
第12条 就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。

就業規則を作成や変更したら事業場を管轄する労働基準監督署に届け出ます。

その後、従業員に周知します。

2.就業規則の周知

労働基準法では次のとおり

労働基準法
(法令等の周知義務)
第106条 使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、(以下一部略)を常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によって、労働者に周知させなければならない。

労働基準法施行規則
第52条の2 労働基準法第106条第1項の厚生労働省令で定める方法は、次に掲げる方法とする。
1 常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること。
2 書面を労働者に交付すること。
3 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。

まあ難しく書いてますが、簡単にいうと、誰でもが見られる状態にしておくことです。

誰でもが使う施設、たとえばタイムカードの近くや社内食堂や各部署の掲示板に吊るす等のことで良いのです。

通達では、

「労働者の請求があった場合に見せる方法では周知にならない。就業規則等を労働者が必要なときに容易に確認できる状態にあることが周知させるための要件である」

としてます。

 

就業規則には、有給休暇や休職や残業代等の会社にとって不利なことが書いてあり、見られたら何を要求されるか分からないので見せたくない、と考えられるかもしれません。しかし実際はその逆。会社の秩序維持のことや勤務態度のことや配置転換のことも書いてあり、会社にとって有利なことも多いのです。

やらなければならないこと、やってはならないこと、真面目に働かなければ注意指導する、会社の秩序を維持するための懲戒処分等が書いてあり、会社にとって有利なことも多いのです。

そして、やらなければならないこと、やってはならないことを従業員に徹底させるためにも就業規則は周知しておかなければならないのです。

就業規則を周知しておかないと、労働トラブルが起こり、万が一、労働審判や裁判になったとき、従業員に

「私は就業規則を見たことがない、どこにあるのですか?」

と逆転ホームランを打たれることが多いようです。

その言葉が出て来ると会社側の反論は終わってしまうのです。

そうならないためにも、会社から従業員に対してどのようなことして欲しいか、して欲しくないのかを明確に伝えなければなりません。

 

それが会社を守る就業規則なのです。

 

もう一度繰り返します。

 

就業規則は作っただけでは飾り物です。

就業規則を飾り物にしてはなりません。

周知させて、定期的に勉強会を開催して、問題行動があれば注意指導しなければ就業規則が生きてきません。

 

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