年金制度は弱い部活の先輩後輩関係

私が好きな作家さんの SNS に次の内容の投稿がありました。

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東京都内の有名私立大学の体育会の女子部員の集まりでの話。

その集まりには3年生と4年生がそれぞれ数人参加。
4年生のグラスが空っぽにならないように3年生が ワインを注ぎます。
3年生は4年生から何も言われなくても4年生のグラスが空になる前にワインを注ぐことが当たり前のように教わっていたようです。

 

その様子を見てた作家さんは3年生に次のことを聞きました。
「先輩たちのお世話係をするのはいやではないですか?」

 

3年生の答え
「嫌ですが、これは入部した時からこうするものだと教わりました。そして自分たちが4年生になったら3年生以下の学生たちからしてもらえることが当たり前だと思ってます」

 

作家さんの更なる質問
「先輩たちのお世話係が嫌だったら、自分たちが4年生になった時にこの習慣を終わらせることを考えませんか?」

 

3年生の回答
「そんなことをしたら同級生や後輩たちに申し訳ないです。部活に入ってから先輩たちのお世話をしてきたのは上級生になった時に後輩たちから同じように世話をしてもらえる権利を獲得したのに、それを自分たちの代で終わらせてしまうことはとてもできません。
数年間我慢してやっと上級生になって、下級生からお世話になれる権利を放棄することは、今までの苦労をなくすことと同じです。だから最初の1年2年は苦しいことも我慢して、3年生4年生になったらその苦労を取り返したいのです。だから私たちの代でこの習慣を終わらせたくはないですし、終わらせると後輩からも責められるし、下級生が言うことを聞いてくれなくなる。上級生のメリットがなくなる」

 

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この学生の考え方は日本の年金制度そのものです。
というのは、現在、年金をもらっている人たちは、現役時代に自分たちが納付した保険料は、その時の年金受給者が年金としてもらっているのです。

そして、現在、年金保険料を払っている人達は、自分たちよりも若い人が支払う保険料で年金をもらうことになるのです。

 

現制度の年金は、自分で納付した保険料が自分の年金を積み立てる制度ではないのです。

 

ということは、前述の3年生4年生の学生の先輩後輩関係と同じですね。

もしある年代の人たちが「現在保険料を払っている人たちから年金をもらうということを止める」と言い出すと、

「自分達だけ格好つけるな!」
「今までの我慢を無駄にするのか!」
「今までそうやってきているのだ、何を今さら!」
「俺たちのことも考えろ!」

等々、現在年金を払っている人たちから猛烈な反発を受けるのです。

この反発を受けたくないので、自分達がもらう年金は、現在の現役世代の保険料からもらうということを続けるのです。
後輩から搾取し続けるのです。
そしてこの習慣をやめることは絶対に自分達からは言えないのです。
今まで保険料を払ってきた人たちの権利を放棄することになるので絶対に止められないのです。

しかもこれから現役世代が激減し続けることはわかっているのです。

いったいいつまでこの「弱い部活の先輩後輩ゲーム」を続けるのでしょうか?

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