トラック運転手は好きで長時間労働しているのではない(2018年8月2日)

トラック運転手の長時間労働に関する記事が朝日新聞デジタルに掲載されています。

 

運転手雇う事業所、8割超で労基法違反 長時間労働など
2018年8月1日11時59分

 

 厚生労働省は31日、2017年にトラックやバスなどの運転手を雇う事業所の8割超で長時間労働などの労働基準法違反があったと発表した。働き方改革関連法で来年4月に始まる「残業時間の罰則つき上限規制」では、自動車運転業務は適用が5年間猶予されるが、長時間労働が広く行われている実態が改めて浮き彫りになった。
 全国の労働基準監督署や労働局が昨年、監督指導した計5436事業所のうち、84・0%の4564事業所で法違反が見つかった。61件は、悪質な違反だったとして送検した。

 

 違反の中身は、長時間労働などの労働時間に関するものが最も多く58・2%。自動車運転手には、長時間労働を是正するために総拘束時間や休息期間などを定めた改善基準告示があるが、この違反も64・7%で見つかった。
朝日新聞さんは、何が言いたくてこの記事を公開しているのでしょうか?
トラック運転者は自社の都合だけで労働時間を決められないのです。
荷物の積み込みや荷下ろしの時に、指定された時間に行っても、その時間通りに作業ができないのが現実。荷主会社は自社の労働時間を短くできるように自社に都合の良いスケジュールを組みますが、そのスケジュール通りに行かないのです。1台が遅れると次も遅れ、さらにその次も遅れるというように順番待ちの時間がだんだん長くなります。この順番待ちの時間が待機時間です。
その結果として長時間労働。作業時間と運転時間だけを計算すれば、これほどの長時間労働にはならないことが多いのです。
また、現在のように24時間営業の店舗があったり、早朝から営業する商業施設があったり、翌日午前着の宅配サービスがあったりすると、その後ろには多数のトラック運転手が夜間運行しているのです。朝日新聞さんの朝刊も、早朝に各家庭に配達するために印刷所から販売店まで深夜運行するトラックに運んでもらっているのでしょう。それよりも84%の事業所で違反があるということは、その法律が実態とかけ離れていて、遵守できない法律なのではないでしょうか。運送業者を処分や指導するのであれば、荷主も同様に処分、指導しなければ公平ではありません。

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