中小企業には社員集会をおススメします

中小企業の社長には積極的に社員集会の開催をオススメします。

毎年のことですが、3月から4月には就業規則の変更のご依頼があり、それに伴い従業員全体集会や従業員説明会を開催してもらってます。

積極的に開催してもらえる会社もあれば、頑なに開催しない会社もあります。
頑なに開催を拒んでいる会社に限って労働トラブルが多いのです。
なぜ労働トラブルが多いかというと、会社とすれば「なぜわからないんだ?」「言ってある」、従業員とすれば「一方的な話だけで説明がない」「聞いてない」。
日頃から会社の方針を直接説明していればこのような齟齬が生まれにくいのです。
なので、社員集会を積極的に開催することをオススメします。

 

そこで中小企業が社員集会を開催するメリットです。
まず、社長の言葉で、会社としての目標や方向性、業界や自社の展望、今後の課題等を発表し、従業員に対して企業の方針や経営状況を説明することで、従業員の理解を深めることができます。

次に、従業員からの意見や要望を聞くことで、企業の改善につなげることができます。
よく聞くこととして、
「社長は現場を知らない」
「どうすれば給料が上がるのか教えて欲しい」
「社長が何を考えているかわからない」
等の不安とも不満とも取れる言葉が多々あります。
その原因は、社長に話を来てもらえない、社長と直接話をしたい、ということが考えられます。ならば、直接話を聞いてあげれば良いのです。

 

反対にデメリット。
従業員から思いもよらぬ質問や要望があり会社としての対応が難しいことや、従業員同士の対立が表面化したり、特定の部署だけが優遇されていることで不公平感が蔓延してしまうことがあります。
このデメリット(特に前者)があるため、中小企業においては社員集会の開催について慎重になることが多いのです。

 

しかし、社長が積極的に全体集会を開催して、従業員に直接語りかけることで、社長の考えが伝わり、従業員からも自分たちの話をきてもらえたことで納得感が得られます。

 

社員集会の開催方法については、2点コツがあります。
コツその1、外部の会場を借りる
会場は、会社の会議室や食堂等の会社の施設ではなく、外部の貸し会議室で行います。公民館や商工会の会議室を借りても良いでしょうし、民間の会議室を借りても良いです。

会議室を借りる理由は2つあります。
理由その1、いつもの会議と違うということを感じさせる
社内の施設ではいつもの会議と変わらず社長や上司の演説会になってしまいかねませんが、机や椅子のレイアウトが変わり、マイクを使って話をすれば、いつもと雰囲気が違って緊張感も出ることでしょう。

 

理由その2、時間を限定できる
社内の施設では時間の制限が無く、何時間でも続いてしまうことがあります。そんな会議に限って結論が出ず開催した意味が不明であることが多いのです。その点、外部の施設では時間制限がありますので、ダラダラと続けられず効果的な会議ができます。

それよりも退出時間が決まっているので面倒な質問が出ても途中で打ち切ることができます。もちろん、それを有耶無耶にするのではなく、次回までの宿題として時間稼ぎとすることもありです。

 

コツその2、社員以外の者(士業が良い)を同席させる。
私たち社会保険労務士でも税理士でも弁護士でも良いので、社外の専門家(士業が良い)を同席させることで会議が混乱することが防止でき、会社としても専門家の意見を聴いて経営していることを見せられます。
外部の専門家をこのように使ってみても面白いです。

 

開催回数は最低でも年間1回はしてほしいです。
多い会社では年間3回は開催しています。
社員集会を事業計画に入れてしまえば良いのですが、なかなか計画できないようです。
それでも最低年1回は開催してください。
特に工場や営業所が何か所かある会社では、社長と接する機会が少ないと思われますので、是非とも開催してください。
最近ではオンライン会議が普及していますが、実際に会って話をすることが重要であることは変わりません。

 

それと最後に、強制出席の集会であれば労働時間になりますので賃金(曜日によっては割増賃金も)が発生することを忘れないでください。

 

結論としては、
中小企業は積極的に社員集会を開催することをオススメします。
労働トラブルの多くは、小さな不平不満から始まり、感情的なことに行きつくことが多いのです。
従業員との対話の機会を増やすことで、不平不満が小さいうちに摘み取ってしまいましょう。

 

 

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