過労運転させた疑い、東名事故で運送会社と所長書類送検(2011年6月9日)
トラックによる交通事故に関する記事が朝日新聞WEB版に掲載されています。
『 過労運転させた疑い、東名事故で運送会社と所長書類送検2011年6月8日22時55分
愛知県豊橋市の東名高速でトラックが渋滞の列に追突し3人が死亡した事故で、愛知県警は8日、トラックの運転手が過労状態と知りながら運転させたとして、運送会社「ムソー」(愛知県小牧市)静岡営業所長の米持利男容疑者(34)=労働基準法違反容疑で逮捕=と、法人としての同社を道路交通法違反(過労運転の容認)の疑いで書類送検し、発表した。
県警は、運転手の小松勇太被告(24)=自動車運転過失致死傷罪で公判中=の勤務状況と過労運転の関係を専門の医師に照会。「慢性的な睡眠不足による過労で、正常な運転ができない状態だった」との所見を得て立件に踏み切った。同社は、小松被告を法定の労働時間を超えて働かせたとする労働基準法違反容疑でも書類送検された。
高速隊によると、同社と米持容疑者の書類送検容疑は、2月15日、小松被告に過労による居眠り状態で運転させたというもの。米持容疑者は「小松被告が疲れていることは知っていた」と供述。同社社長は任意の調べに「過重な労働があった」と説明しているという。 』
http://www.asahi.com/national/update/0608/NGY201106080039.html
従業員の安全管理と健康管理は会社の義務です。
このような言語道断な交通事故が発生すると、善良な運送会社に対しても悪影響が及びます。
その悪影響から運送会社と運転手の地位が低下していきます。
会社も運転手も地位向上のためにも高い規律を保持しなければなりません。
ここ数年の運輸行政の方向では物流センターを大きくして集約することが進んでいます。そのために物流センター内やその付近で積み荷の順番待ちのトラックが行列を作っているのです。運転手は自分の順番が来るまで待機していてその間は手待時間です。この手待ち時間は労働時間に含まれることが多いのです。
今回のこの記事だけでは判断できませんが、過労運転の中の時間にもこの手待ち時間が含まれていて、実際の運転時間は全労働時間の半分程度かもしれません。
運輸行政と労働行政の方向性が合っていないように思えます。
しかし、健康管理を徹底していなかったことはどんな言い訳もできませんし、許されることではありません。