世界に冠たる「皆保険制度」の危機―― 国民健康保険料が高すぎる!(2021年10月11日)

世界に冠たる「皆保険制度」の危機―― 国民健康保険料が高すぎる!
サンデー毎日
2021/10/9 05:00(最終更新 10/9 06:20)

「国民健康保険」は自営業者をはじめ、リストラ、定年などによって、どこにも入る保険がない人の受け皿となる公的医療保険である。しかし実態は、高すぎる保険料に加入者は苦しみ、雪だるま式に借金が増えていく。このままでは日本の皆保険を守れない――。
・記者に届いた月8万8000円の国保料通知書  「制度が破綻しているんです」窓口職員はつぶやいた

 

https://mainichi.jp/sunday/articles/20211004/org/00m/010/004000d

この記事のタイトルが逆です。

「健康保険や共済が安すぎる」のです。

この記事を掲載している毎日新聞さんをはじめとした民間企業の従業員が加入している健康保険や健康保険組合、窓口職員が加入している公務員共済には安定的な収入を得られる人たちとその家族が加入してます。
一方、国民健康保険には自営業(儲かると法人化するため一般的に所得水準が低い)、農業、定年退職した高齢者や、病気等ために退職した人たちとその家族が加入しています。

 

この2つの公的健康保険制度において2つの不公平なことがあります。

 

1.扶養
健康保険にあって国民健康保険にないのが扶養です。
健康保険であれば収入が一定水準以下の家族は扶養となり保険料を支払わなくても健康保険証を使えるのですが、国民健康保険には扶養という制度がありません。
国民健康保険加入者本人(世帯主)はもちろんのこと、小学生の子供がいればその分を、75歳未満の親がいればその分も保険料が発生します。
ちなみに75歳以上は後期高齢者制度になるので健康保険や国民健康保険から脱退。

 

2.保険料の決定基準
健康保険は給料(一般的には4,5,6月に支給される月給)の平均額を基準にして1年間の保険料が固定されます。
賞与が支給されるとその支給額に一定の保険料率をかけることで賞与の保険料が決まります。
そうです、会社から支給される給与だけしか保険料の決定に影響しないのです。

一方、国民健康保険は、加入者の全収入が保険料の基準になります。
全収入というのは副業・アルバイト収入、不動産収入や株式売却益等も含まれ確定申告をした1月から12月までの年間収入です。
国民健康保険は給料(自営業では売上高)だけでなく一時的な収入も国民健康保険料の対象になります。
これが不公平な点です。

会社員が副業・アルバイトしても社会保険料には関係ないし、不動産収入があっても、株式投資で儲けても、社会保険料を決めるのは給与、賞与だけなのです。

経営者で役員報酬は月間20万円、自分の土地を会社に貸して賃料を毎月100万円もらっていても、役員報酬の20万円に対する社会保険料だけで良いのです。

国民健康保険は、ただでさえ収入水準が低い人たちが多く加入しているうえに、高齢者が多いので必然的に多額の医療費が必要になります。
この多額の医療費は保険料で賄わなければならず、そのため保険料が高くなるのです。
ある一定水準に達してない人の保険料をそれ以上の収入がある人たちから徴収するので、すぐに保険料は上限に達します。(国民健康保険料には上限があります)

 

国民全員を国民健康保険に加入させる

この不公平をなくすには、国民全員を国民健康保険に加入させるのです。
そうすれば、高収入の人たちが国民健康保険に加入して相応の保険料を納付するので、払えないほどの国民健康保険料(税)にはならないでしょう。

これと同時に、国民年金の第3号被保険者(健康保険や共済に加入している配偶者に扶養されていると自分の国民年金保険料を払わなくてもよいが、国民年金の受給額の計算ではその期間は納付したこととして年金額が計算される)を廃止しましょう。
第3号被保険者制度が始まった昭和61年は専業主婦が多数派だったようですが、今や共稼ぎが多数派。
会社員や公務員の配偶者は第3号被保険者でも、自営業(第1号被保険者といい、自分の保険料は自分で払う自営業者、農業、無職の人や20歳以上の国内居住の学生)の配偶者は第1号被保険者。
主婦は主婦でも、配偶者の職業によって極めて大きな差別があります。

話を戻すと、国民健康保険加入者の多くは、国民年金の第1号被保険者です。
ただでさえ国民健康保険料が払えないのに、国民年金保険料(毎月約16000円)を払うことは困難です。そのため、免除制度がありますが、免除された期間は納付した期間の半分しか年金がもらえないのです。(第3号被保険者の期間は満額もらえます)

しかし第3号被保険者制度は温存されることでしょう。
なぜかというと、法律は官僚が作っているのです。
その官僚の配偶者はほとんどが専業主婦ではないでしょうか?
配偶者が働かなくも良いくらいの収入があるのでしょうから。

誰が、自分の家庭を苦しめることをするでしょうか?
そんなことしたら全官僚や大企業の加社員から何を言われるかわかりませんし、厚生労働省の予算が減らされてしまいます。

なので、第3号被保険者制度は聖域になってます。

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