トラック運転手の長時間労働 悪質荷主の罰則強化 国交省(2018年1月26日 日経電子版)
トラック運転手の長時間労働に関する記事が日経電子版に掲載されています。
トラック運転手の長時間労働 悪質荷主の罰則強化 国交省
2018/1/26付日本経済新聞 朝刊国土交通省は、トラック運転手の長時間労働を防ぐ対応を強化する。長い待機時間を強いるなど発注する荷主側の問題が大きいとみて、悪質な荷主に警告して是正がなければ社名公表に踏み切る。法令に違反した運送業者に対しては、事業停止の期間を延ばすなど罰則を強める。
国交省が実施したトラック業者300社に対する調査で、業種別では「加工食品」「建築・建設用の金属製品」「紙・パルプ」「飲料・酒」「生鮮食品」の順で、… 」
この記事に記載させれていることの中で疑問があります。
トラック運転手の労働時間が長いのは待機時間と因果関係があります。
にもかかわらず、「法令に違反した運送業者に対しては、事業停止の期間を延ばすなど罰則を強める」とは何事ですか! 罰則を科せられるのは悪質な荷主でしょう。
昨年の夏に、待機時間に対しても料金を請求できるようになりましたが、実際のところはどうなのでしょう?
国土交通省の通達によると、待機時間とは荷主の都合による待ち時間とされています。工場の開門時間が8時であれば、それ以前に到着して順番待ちをしている時間は待機時間にならず、8時以降の待ち時間が待機時間になります。それをその通りに信じて8時に工場に到着すると3時間でも4時間でも平気で待たされます。当然、この時間は待機時間ですが、拘束時間にもなります。運転者には拘束時間の上限がありますので、この上限を見ながら配車しなければならず、経営的にも大問題です。
この状態が続くと運転者の雇用を根本的に見直さなければならなくなります。
日本経団連の皆様は何を考えているのでしょうか?
何も考えてないのでしょう。
自社さえよければ・・・・・・。宅配便の長時間労働は比較的取り上げられていますが、BtoBの運送業は取り上げられていません。
理由は簡単で、報道番組のスポンサーである大企業に対して忖度しているからです。
本当はこちらのBtoBの運送の方が市場規模は大きいのですが、普段目につかないので気付かないのです。
その証拠に、2020年の競技施設の建設が遅れることを鑑みて、建設業と運送業には残業上限時間の罰則を一定期間(オリンピックが終了するまで)猶予しています。